新潟県神社探訪

石動神社彫刻(三条市吉野屋〈よしのや〉)

三条市石動神社拝殿正面
三条市吉野屋の石動神社の社殿には石川雲蝶(注)の彫刻が残されている。
いずれも江戸後期の貴重な作品で,旧栄町の文化財に指定された。指定を受けたのは,拝殿向拝の竜,波に千鳥,唐獅子,拝殿側障子の神功皇后,加藤清正,拝殿内部の「ぬえ退治」などである。

三条市石動神社拝殿彫刻
向拝(左側)。
ぬえ退治ぬえ退治
俵藤太蜘蛛退治
拝殿内には「源頼政のぬえ退治」「竜神と俵藤太」「源頼光四天王の蜘蛛退治」が見られる。

(注)
石川雲蝶(いしかわうんちょう)は文化十一年(1814)江戸雑司ケ谷で生まれた。雲蝶の技に惚れた内山又造(三条の金物商人)が本成寺の彫刻を依頼して以来,三条と関わりができた。
雲蝶は三条の酒井氏の婿養子となり,越後の寺社のために多くの作品を制作した。明治十六年(1883)没。
当社に残る作品群は,雲蝶晩年の傑作である。
新潟県内に残る石川雲蝶の作品としては,栃尾の秋葉三尺坊奥の院や,栃堀の巣守神社境内の貴渡神社,南魚沼市荒金の十二神社などが知られている。

(新潟県三条市吉野屋石動神社)
2005.9.10


にいがた百景2