新潟県神社探訪

大神社(上越市吉川区尾神〈おかみ〉)

旧吉川町尾神の大神社社頭
大神社(おおかみしゃ)は,旧中頸城郡吉川町の東部の尾神地区に鎮座する。
「神社明細帳」(明治十六年)に「中頸城郡尾神村字御菜所 村社 大神社」とある。
創立年月は不詳。初め大神嶽(尾神山)の絶頂に鎮座した。
伝承では,崇神天皇の御代,大彦命が北陸鎮撫にあたって大国主命を山頂に祀ったのが創祀で,延暦十四年(795)には坂上田村麻呂が戦勝祈願したという。
大同二年(807)には神像を奉納して社殿を造営したという。
下って天正三年(1575)に火災によって山頂から現在地に移転したとされる。
現社池には摂社七社と称して神明大神,醫師大神,国造大神,賽野大神,諏訪大神,天神大神,八幡大神が祀られていたが,大神社の移転の際に合併し,以後「八社宮」「八社さま」と呼ばれるようになった。
(大神社の移転後に火災があり,再建にあたって大神社と七社が合併されたとする伝承もある。)
明治五年(1872),村社に列した(当時は柏崎県に属す)。翌年,柏崎県が廃され,新潟県において村社となった。
当社を『延喜式』(神名帳)所載の「大神社」(頸城郡十三社の一)に比定する説もあるが,それを裏付ける資料はない。
(「式内・大神社」の候補としては糸魚川市の天津神社,妙高市の関山神社などがある。)
旧吉川町尾神の大神社社頭旧吉川町尾神の観音堂
参道の正面は観音堂である。
灯籠には文化二年(1805)と刻されている。

旧吉川町尾神の大神社社殿
観音堂の右奥の一段高い所に大神社の社殿がある。
旧吉川町尾神の大神社社殿

(新潟県上越市吉川区尾神)
2018.4.30


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