諸国神社めぐり

薭田神社(大田区蒲田〈かまた〉)

大田区蒲田の薭田神社社頭
薭田神社(ひえだじんじゃ)は,京急蒲田駅(京浜急行)の北600メートルに鎮座する。
当社は『延喜式』(神名帳)の「薭田神社」(武藏國荏原郡)の有力候補である。
当社のほかに港区芝田町の御田八幡神社,大田区東六郷の六郷神社,大田区南久が原の八幡神社を「式内・薭田神社」に当てる見解がある。ただし,当社以外は「式内社」とする根拠が薄い。
社伝によると,和銅二年(709)に,行基が天照,八幡,春日の御神体を造って本社に安置したというが,おそらく附会の説であろう。ただし当社に春日神の石像と二体の木像が伝わっている(このうち石像は今は蒲田八幡神社〈大田区蒲田4丁目〉にある)。
貞観六年(864),従五位下を賜り官社に列せられた。
安政四年(1857)に拝殿の改築,元治二年(1865)に本殿の改築がおこなわれた。
明治五年(1872)に郷社に列せられた。その後,昭和の戦火で焼失し,翌年,仮本殿を再建した。
現在の祭神は,誉田別命,天照大神,春日大神,武内宿禰命,荒木田襲津彦命である。
石鳥居は寛政十二年(1800)の寄進で,区の文化財に指定されている。
大田区蒲田の薭田神社拝殿正面
現在の社殿(本殿,幣殿,拝殿)は,昭和二十九年(1954)の新築である。
大田区蒲田の薭田神社社殿側面
本殿は流造である。

大田区蒲田の薭田神社境内社
境内に,薬祖神社(少彦名命),稲荷神社(宇迦御魂命),三十番神社(三十番神)の祠が並んでいる。
大田区蒲田の薭田神社境内の山野神社合祀碑大田区蒲田の薭田神社境内の天祖神社碑
山野神社合祀碑,天祖神社の碑がある。

大田区蒲田の薭田神社境内の狛犬(吽形)大田区蒲田の薭田神社境内の狛犬(阿形)
狛犬の台座には「昭和三十四年八月十五日」「青山石勝刻」とある。

(東京都大田区東六郷3丁目2-10)
2008.3.10
→公式サイト:延喜式内社・ひえだ神社


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