諸国神社めぐり

坐摩神社行宮・豊磐間戸奇磐間戸神社(中央区石町〈こくまち〉)

坐摩神社行宮
坐摩神社行宮(いかすりじんじゃあんぐう)は,地下鉄(谷町線)天満橋駅の西350メートルにある。
周囲にオフィスビルが林立するこの場所は坐摩神社の御旅所(行宮)である。
大川(旧淀川のひとつ)の左岸,京都と瀬戸内を結ぶ水運の拠点として栄えた渡辺津(わたなべのつ)に近い。
坐摩神社は,新羅国から凱旋した神功皇后が休息した場所に祀られた古社とされ,『延喜式』(神名帳)に「大社」として記録されている。
天正十年(1582),大阪城築城のさい,社地が城域にかかるため移転を余儀なくされ,南西1.7キロメートルの現在の坐摩神社の場所(中央区久太郎町4丁目渡辺)に遷座した。
その後,当地は坐摩神社の御旅所となり,現在は坐摩神社の境外末社の豊磐間戸奇磐間戸神社(とよいはまどくしいはまどじんじゃ)が祀られている。
祭神は,豊磐間戸神と奇磐間戸神である。
坐摩神社行宮境内豊磐間戸奇磐間戸神社社殿
豊磐間戸奇磐間戸神社の社殿。

坐摩神社行宮境内の神功皇后ご休息の石
社殿の手前に,神功皇后が休息した「鎮座石」がある。

熊野信仰が盛んであった平安期,京都から熊野本宮に至る道沿いに熊野王子神社が多く祀られていた。
この場所は,熊野参詣の途上で最初に参詣する渡辺王子社(窪津王子社とも)の旧鎮座地とも伝える。

(大阪府中央区石町2丁目2-15)
2018.7.25


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