八坂神社の境内には多くの境内社が祀られている。
八坂神社の境内には多くの境内社が祀られている。
四条通に面した西楼門の奥に疫神社と太田神社が並んでいる。
疫神社の祭神は蘇民将来である。
太田社は猿田彦神と天鈿女命を祀る。鳥居には「太田神社白鬚神社」と併記されている。白鬚神社も猿田彦神を祀る神社である。
天鈿女は，天岩戸の前で踊ったことで芸能の神として信仰されており，猿田彦の配偶神と考えられている。
大国主社は，大国主命，事代主命，少彦名命を祀っている。
北向蛭子社は大国主命の御子の事代主神を祀っている。中古以来「西楼門内北向」とされ，古くから現在地に鎮座したと考えられている。
社殿は正保三年（1646）の建造で，国の重要文化財である。
本殿の西側に大年社と十社が並んでいる。
大年社は大年神と巷社神を祀る。
十社は多賀社（伊邪那岐命），熊野社（伊邪那美命），白山社（白山比咩命），愛宕社（伊邪那美命，火産霊命），金峰社（金山彦命，磐長比売命），春日社（天児屋根命，武甕槌神，斎主神，比売神），香取社（経津主神），諏訪社（健御名方神），松尾社（大山咋命），阿蘇社（健磐龍神，阿蘇都比咩命，速甕玉命）である。
大神宮社は，天照大御神と豊受大御神を祀る。
現社殿は，神宮の第六十二回式年遷宮の撤却材を用いて修復されたものである。
悪王子社（あくおうじしゃ）は素盞嗚尊の荒御魂を祀っている。
初め，東洞院四条下ル元悪王子町（現在地の西1.6キロメートル）に鎮座したが，天正年間（1573-1592）に烏丸通万寿寺下ル悪王子町（現在地の南西1.8キロメートル）に遷り，さらに慶長元年（1596）に四条京極（現在地の西800メートル）に遷り，明治十年（1877）に当社の境内に遷された。
平成十年（1998），創立の地（元悪王子町）に当社を分霊して悪王子神社が再興された。
美御前社（うつくしごぜんしゃ）は，素戔嗚尊の剣から生まれた宗像三女神（市杵島比売神，多岐理比売神，多岐津比売神）を祭る。
祇園の芸妓・舞妓や，理容美容，化粧品関係者の信仰を集めている。
日吉社は大山咋神と大物主神を祀る。
五社と刃物神社が並ぶ。
五社は八幡社（応神天皇），竈神社（奥津日子神，奥津比売神），風神社（天御柱命，国御柱命），天神社（少彦名命），水神社（高龗神，罔象女神）である。
刃物神社は，この地の刀剣などの刃物職人が昭和四十八年（1973）に創祀したもので，祭神は天目一箇神である。
厳島社は市杵島比売命を祀る。
舞踊謡曲の神として，祇園の舞妓，芸妓に崇敬されている。
このほかに祖霊社，命婦稲荷社，玉光稲荷社，常磐神社がある。
2010.12.25, 2018.11.13
→八坂神社