大田神社(おおたじんじゃ)は,賀茂別雷神社(上賀茂神社)の東500メートルに南面して鎮座する。「オホタ」が訛って「恩田神社」とも呼ばれる。
創立年代や由来は不明であるが賀茂別雷神社の境外摂社であり,また『延喜式』(神名帳)に見える古社である。
『式内社調査報告』には,「第四攝社であったが、明治十年三月二十一日内務省より第二攝社に定められた」とある。ただし境内の案内板には「第三摂社」とある。
祭神は天鈿女命であるが,猿田彦大神を祭神とする資料や,猿田彦大神と天鈿女命の二柱とする資料もある。
開放的な拝殿は,割り拝殿で,東(右)が神懸かりの場,西(左)が神託を受ける「サニワ」の場とされる。
本殿は流造。屋根に賀茂葵(二葉葵)の紋が見える。
拝殿,本殿とも寛永五年(1628)の造営という。
拝殿の手前に小社が鎮座する。白鬚神社,鎮守社,百大夫社である。また参道の入り口に福徳神社が鎮座する。
四社すべて賀茂別雷神社の境外末社である。
(京都市北区上賀茂本山340)
2016.12.14