大分神社探訪

八幡朝見神社(別府市朝見〈あさみ〉)

八幡朝見神社一の鳥居
八幡朝見神社は,JR(日豊本線)別府駅の南西1キロメートル,朝見川の右岸に鎮座する。
永石通りを海岸から山手に進むと,朝見川に架かる御幸橋の向こうに最初の鳥居(昭和十年)があり,社殿まで一直線の参道(朝見本通り)が300メートルほど伸びている。
建久七年(1196)豊後豊前の守護となった大友能直が家臣の能登助国久に命じて鶴ケ岡八幡宮から勧請した。
最初の鎮座地は一ノ出(いちのいで,現在の別府市乙原)であったが,鶴見岳の噴火によって社地が崩壊したため,正平三年(1348)に現在地に移転したという。
その後,天正・文禄年間(1573-1596)の戦乱によって衰微し,さらに慶長三年(1598)の地震などによって社殿や旧記の多くが失われた。
江戸時代に入り,寛文十年(1670)に社殿が再興され,しだいに整備が進んだ。
明治六年(1873)に村社となり,大正七年(1918)に郷社,昭和十二年(1937)に県社に昇格した。
八幡朝見神社二の鳥居
一の鳥居から170メートルほど進むと二の鳥居(明治二十四年)がある。
八幡朝見神社三の鳥居八幡朝見神社夫婦杉
三の鳥居(昭和三年)の向こうに夫婦杉が見える。
八幡朝見神社拝殿八幡朝見神社拝殿内部
祭神は,仁徳天皇,応神天皇,仲哀天皇,神功皇后である。
戦後,温泉神社(現在地の北北西1キロメートルの青山町に鎮座した)を合併し,大歳神,迦具土命,大穴牟遅命,少彦名命が祭神に加わった。
八幡朝見神社本殿八幡朝見神社本殿細部八幡朝見神社本殿細部
社殿は大正十一年(1922)に大改築がおこなわれた。本殿には細部に美しい彫刻が見られる。

八幡朝見神社境内の厳島神社八幡朝見神社境内社
本殿の南に厳島神社や石仏が祀られている。北側には多賀神社,稲荷神社などが並んでいる。

(大分県別府市朝見2-15-19)
2017.3.20


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