御嶽権現社(御岳権現社)とも呼ばれる火男火売神社(ほのをほのめじんじゃ)は,JR(日豊本線)別府駅の西6キロメートル,鶴見岳(1374.5m)の中腹に鎮座する。奥宮は鶴見岳の山頂に,また下宮は4.8キロメートルの火売(ほのめ)に鎮座する。
当社は「延喜式」所載の火男火賣神社二座(豐後國速見郡三座の二)である。
宝亀年間(770-781)の創建と伝える古社で,貞観九年(867)の鶴見岳噴火のさいに当社で大祭をおこない火気を鎮めた。
以来,別府温泉の総鎮守として崇敬を集めている。
祭神は火之迦具土命と火燒速女命である。
参道は杉林である。
石段が終わり,平坦地に社殿が建っている。
流造りの本殿には細かい彫刻が見られる。
本社の右に稲荷神社がある。
社殿背後にアカガシの林があり,大分県指定の天然記念物である。周辺の火山噴火を免れた貴重な原生林である。
境内に宝塔がある。四方に仏像が彫られており,元亨二年(1322)の銘が確認されている。摩滅した狛犬が置かれている。
奥宮の鶴見岳山頂まで,ロープウェイで行くことができる。
(大分県別府市火売東山一区)
2014.4.2