野坂神社は,JR(日豊本線)鶴崎駅の北1.8キロメートル,三佐の八坂地区に鎮座する。臨海産業道路の家島橋に近く,交通量の多い場所である。
鳥居には「八坂山大権現」とある。
永正年間(1504-1520),海中から光る石を得てこの地に祀ったのが起源とする伝承がある。
竹田の岡城主(中川氏)の崇敬が篤く,明治になって郷社に列せられた。
速玉男尊,伊弉冉尊,事解男尊を祭神とする。
明治十七年(1884),字山神から大山祇神,宇迦御魂神,猿田彦命を当社に合祀した。
一直線の長い参道の先に社殿が建っている。
屋根瓦は,大分市周辺でよく目にする細かな技巧を凝らしたものである。
本殿は平入りで建っている。岡藩(中川氏)の家紋(中川柏紋)が見える。
本社に向かって左に小祠が並んでいる。稲荷社,厳島姫社,船玉社,戎社である。
右には天満社の社殿がある。弘化元年(1844),三佐の菅氏が天神講を結成して創立したものである。
(大分県大分市三佐769)
2014.4.1