大分神社探訪

久住神社(竹田市久住町〈くじゅうまち〉)

久住町の久住神社二の鳥居
久住神社は,旧直入郡久住町の中心部に鎮座する。町史の記載する鎮座地は「久住町大字久住字飛森」である。
境内の「久住神社由緒」が記す祭神は,健男霜凝彦神(たけおしもごりひこ),彦五瀬命(ひこいつせ),姫神の三柱である。
古くは久住山の神(姫神)や農耕神(健男霜凝彦神)を祀る土着的な信仰を起源とする神社であろう。
創立に関する伝承として,彦五瀬命(神武天皇の兄)にかかわるものがある。
それによると,大化元年(645)に紀州の竈山神社から彦五瀬命が桐迫村の宮田鉾という地に飛来し奉斎されたのを起源とする。
寛徳元年(1044),白丹南山城主の志賀義天が,桐迫の地に祀られていた健男霜凝彦神の鎮座地に彦五瀬命を遷し,二神を合わせ祀ったという。
その後,天正年間の兵火などを経て,衰微したが,慶長五年(1600)に再興され,さらに寛文六年(1666)に現在地に遷され,一帯の氏神として崇敬されるようになった。
おそらく,この地の固有の神(山神や農耕神)を皇室系譜に組み込むために,彦五瀬命の伝承が後から加えられたのであろう。
主祭神のほか,町史によると明治期に合併された神社の祭神として,伊弉冉命,別雷神,菅原神も祀っている。

久住町の久住神社拝殿久住町の久住神社拝殿額久住町の久住神社拝殿屋根
入母屋造りの拝殿は瓦葺きで,倒立した獅子が置かれている。
久住町の久住神社拝殿本殿
本殿は流れ造りで,屋根は銅板で葺かれている。
久住町の久住神社拝殿内部久住町の久住神社本殿
本殿と拝殿が渡り廊下でつながっている。

久住町の久住神社境内久住町の久住神社境内
本殿を挟んで八坂社(須佐之男命)と大徳社(大歳神)が祀られている。

久住町の久住神社一の鳥居
一の鳥居は県道に面している。

(大分県竹田市久住町大字久住)
2014.3.31


玖珠・竹田・大野地区神社探訪