大分神社探訪

二葉山神社(宇佐市下敷田〈しもしきだ〉)

宇佐市下敷田の二葉山神社遠景
二葉山神社(ふたばやまじんじゃ)は,JR(日豊本線)天津駅の北西700メートルに鎮座する。
和銅三年(710)創建とも伝える古社である。
天応元年(781)字岩田の影向石に落雷があり,火玉の託宣によって当社を官社としたという。
現在の祭神は,大己貴命,玉依姫命,天穂日命,別雷命,菅原神,蛭子命,応神天皇,神功皇后,武内大臣,崇徳天皇,倉稲魂命,火産霊命である。
このうち,天穂日命と菅原神(および境内の蛭子命)は,もと南敷田字樋田に鎮座したが,明治四十四年(1911)に当社に合祀したものである。応神天皇,神功皇后,武内大臣は,中敷田字潤尾に鎮座した八幡宮であったが,大正二年(1913)に合祀。同年,上敷田字金剛寺鎮座の金比羅宮(祭神は崇徳天皇で境内に倉稲魂命,火産霊命を祀る)も合祀した。
以上の合祀の経緯によると,当初の祭神は大己貴命,玉依姫命で,天応元年に別雷命が合祀されたもののようである。

二葉山神社社頭二葉山神社参道狛犬(吽像)二葉山神社参道狛犬(阿像)
二葉山神社拝殿正面二葉山神社拝殿屋根
当社は歴代中津城主の崇敬篤く,六代奥平昌暢(おくだいらまさのぶ)は家紋の軍配を寄進した。屋根に軍配団扇の意匠が見える。

二葉山神社社殿全貌
昭和五十八年(1983),浮浪者の失火により社殿を焼失し,六十一年(1986)に新築遷座した。
二葉山神社社殿側面二葉山神社本殿
拝殿内に掲げられた「由緒記」には境内摂社として日枝社(和銅三年奉斎,大山咋命を祀る)と貴船社(延暦元年鎮座,高龗神を祀る)を載せるが,今,社殿はない。昭和六十一年の新築のさいに本社に合祀されたのであろうか。
市史には,このほか十社の境内社(いずれも石祠)と三社の行幸所境内社(いずれも石祠)を載せる。

双葉山生誕の地
社地は,第三十五代横綱双葉山定次(ふたばやまさだじ)の生誕地にも近い。
北方約1.3キロメートルに顕彰施設「双葉の里」(宇佐市大字下庄269番地)がある。

(大分県宇佐市大字下敷田780番地)
2012.3.16


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