大分市神社探訪

田営社(大分市荏隅〈えのくま〉)

荏隅の田営社
田営社は荏隅深河内(ふかがわうち)集落の裏手の小山に鎮座する。
社号の「田営」は「たづくり」と読まれているらしい。
なかば崩壊した石の鳥居の先に石段が見えるが,すぐに石段は消える。足元は急峻な崖となり,道を失う。
山肌は深い薮と滑りやすい腐葉土に覆われており,途中で引き返すことは,かえって転落の危険がある。
肌を刺すイバラや顔にまとわりつく蜘蛛の巣に難渋しつつ,ようやく社殿にたどりつく。

初めこの地に石祠があり,牛馬の守護神として祭られていたが,後に狭間町篠原(ここから西南西約7キロメートル)に鎮座する大将軍(だいしょうごん)神社の分霊を合祀し,「大将軍」として信仰を集めた。明治二年に「田営社」と改称した。
荏隅の田営社荏隅の田営社
荏隅の田営社
境内には古い石祠がいくつも並んでいる。

荏隅の田営社
社地からの眺望はすばらしい。大分川の対岸,滝尾・敷戸方面が一望できる。

(注)大将軍信仰:
「大将軍」は九州に広く見られる民間信仰である。愛宕信仰(馬に乗った将軍地蔵を祀る)や道祖神ともかかわり,牛馬の守り神,あるいは旅人を守護する神として信仰を集めていた。

(大分県大分市荏隅深河内,JR九大線・南大分駅より徒歩30分)
2004年4月2日


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