大分神社探訪

春宮神社宇佐神宮境内)

春宮神社
春宮神社(とうぐうじんじゃ)は,宇佐神宮の境内摂社である。
大鳥居から南に伸びる表参道が東に折れる手前に鎮座する。
春宮神社には,応神天皇の御子で宮主宅媛(みやぬしやかひめ)が生んだ菟道稚郎子命(うぢのわきいらつこ)が祭られている。

『古事記』によると,菟道稚郎子命は異母兄の大鷦鷯命(仁徳天皇)と皇位を譲りあい,菟道稚郎子命が病死したために大鷦鷯命がやむなく即位したという。
『日本書紀』によると,菟道稚郎子命は父(応神天皇)の寵愛を受け,太子に立てられたが,自殺して大鷦鷯命に皇位を譲ったとされる。

この菟道稚郎子をめぐる不自然な一件は,皇位をねらう大鷦鷯命による謀殺を疑わせる。
応神天皇の御子でありながら,菟道稚郎子命だけが若宮神社に合祀されず,単独でここ春宮神社に祀られているのはそうした経緯を反映しているのであろうか。

2003.11.14, 2017.6.14


宇佐市の神社