大分神社探訪

大尾神社宇佐神宮境外摂社)

大尾山
大尾神社(おをじんじゃ)は,宇佐神宮の摂社である。
宇佐神宮の東方に大尾山と称する丘陵がある。ここは八幡神が一時鎮座した場所である。
東大寺大仏建立に助力した八幡神は,大仏開眼後(752年)に宇佐に戻ったが,天平勝宝六年(754),厭魅(えんみ)事件と称される不祥事が起き,八幡神は宇佐の地を離れることを余儀なくされた。
天平神護元年(765),神託によってこの大尾山に遷座することになり,山上に本殿を造営した(765年)。
ちょうどそのころ称徳天皇(女帝)の寵を得た怪僧道鏡は,皇位を窺うほどの権力を握った。
神護景雲三年(769年),称徳天皇が和気清麻呂(わけきよまろ)をこの地に派遣して神意を問うたところ「道鏡は悖逆無道,日嗣は皇統から出せ」という八幡神の託宣があった。
帰京して神託を報告した和気清麻呂は道鏡の怒りを買って左遷されたが,天皇は道鏡への譲位をあきらめた。翌年,天皇が崩じると道鏡は失脚した。
神託事件の後,八幡神は小椋山の上宮に戻ったが,神託を得たこの大尾山を聖地とし,八幡神を分霊して祀った。これが大尾神社の起源である。
大尾神社鳥居
急な参道を上り詰めると目印の鳥居がある。
大尾神社
透塀の中に社殿がある。
大尾神社社殿大尾神社本殿
大尾山には,和気清麻呂を祭神とする護皇神社や,清麻呂をたたえる石碑「和氣公之碑」(元帥大勲位東郷平八郎書)もある。

(大分県宇佐市南宇佐,JR宇佐駅より徒歩30分)
2003.11.14, 2017.6.14


宇佐市の神社