おおいた百景

南蛮医術伝来を記念する像(大分市遊歩公園)

外科治療にあたるアルメイダ
西洋外科手術の伝来を記念して造られたこのアルメイダ像(古賀忠雄氏作,1972年)は,遊歩公園の中にある。

リスボンで生まれたルイス・デ・アルメイダ(1525-1583)は,はじめ貿易商として巨大な財産を築いていたが,航海中に修道士のグループ(いずれもフランシスコ・ザビエルの弟子)に遭遇したことを契機に,まったく新たな人生を歩むことになった。

日本に上陸した彼は民衆の困窮を目撃し,彼等を救済するためにイエズス会士となった。
外科医師の免許を持っていたアルメイダは私財を投じて大分に病院を設立した(1557年)。病院は,一般疾病患者のためのものとハンセン病患者のためのものを別個に建てて治療にあたった。100人を越す入院患者を抱え,遠く京都や関東からも治療を受ける人があったという。
さらに病院には学校も併設され,日本人が西洋医術を学んでアルメイダの助手をつとめていた。
アルメイダは孤児院も設立し,牛を飼って牛乳で孤児を育てた。これを記念する育児院と牛乳の記念碑も近くに建っている。

なお,1969年に大分医師会の共同施設として設立された病院はアルメイダ病院と命名された。

2002.7.10


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