諸国神社めぐり

神明宮・神明社

豊受大神宮正宮
全国各地に鎮座する神明宮(神明社,神明神社,太神宮なども同じ)は,すべて伊勢信仰に由来するもので,伊勢の内宮(天照皇大神・天照大御神)あるいは外宮(豊受大神)を分霊したものである。

もともと神宮は皇室と深いつながりを持ち,皇室以外の奉幣を許さなかったが,皇室財政の衰微などにより全国各地への布教活動を始めた。それによって各地の武将が神領を寄進してその地に伊勢の神霊を招いて祀ることが始まった。
さらに近世になって一般民衆のあいだにも伊勢信仰が浸透した。新田開発のさいに,食物神・農業神である豊受大神や天照皇大神を祀る神明社を創建することが盛んになり,それが地域の鎮守社として今も残っているのである。

注:アマテラスオホミカミ
アマテラスは,一般には「皇室の祖」と言われることが多いが,血統としての皇室・天皇の祖というわけではない。
『古事記』によると,初代神武天皇の曾祖父である邇邇藝命(ニニギ,瓊瓊杵尊とも)の父は天之忍穂耳命(アメノオシホミミ)であるが,オシホミミは天照皇大神の髪飾りの勾玉から生まれた神である。しかも,オシホミミを実際に生んだのは,玉の持ち主のアマテラスではなく弟の須佐之男命(スサノヲ)である。
すなわち,スサノヲが生んだ玉の精霊オシホミミをアマテラスが養子とし,この神が皇室の血統の起源となったということである。
皇室系図


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