新潟市神社探訪

三社神社(新潟市中央区三和町〈さんわちょう〉)

三社神社鳥居
三社神社は,新潟駅の北1キロメートルに鎮座する。
「神社明細帳」(明治十六年)に「中蒲原郡流作場新田字宮浦 無格社・三社神社」とある。
創立について「明細帳」は「不詳」とするが,他の史料を参照すると,おおむね以下のような由緒である。
発祥は,この地が信濃川の中洲だったころ,延享四年(1747)にさかのぼる。かつてこの一帯は信濃川河口の中洲で,附寄島と称した。しばしば洪水に悩まされていたが,安倍玄的(村松藩の御典医)が長岡藩からこの地の開拓権を得て開拓に着手した。その事業にあたって祠を設けたのがこの神社の起源である。
玄的の開拓地は長岡藩に属したが,弘化元年(1844)には幕府の直轄領となり,そのさい「流作場」(りゅうさくば)と改称した。今も近くに「流作場五差路」(りゅうさくばごさろ)という地名が残る。
祭神は,大日孁貴尊,譽田別尊,武甕槌命である。文化十四年(1817)に三柱を合わせたという。
当社は「玄的のお宮」「流作場太神宮」などと呼ばれていたが,明治の初めに「三社神社」と改められた。
昭和七年(1932)村社に昇格した。
三社神社拝殿三社神社拝殿
しめ縄が直線的な珍しい様式だが,以前(写真右)はこれとは異なっていた。
三社神社本殿
本殿が神明造りなのは,大日靈貴尊を祭るからであろう。

三社神社狛犬(吽像)三社神社狛犬(阿像)
拝殿前にやや古風な狛犬が据えられている。台座の銘は読みにくいが文久三年(1863)奉納のようである。

三社神社狛犬(吽像)三社神社狛犬(阿像)
鳥居横の狛犬は昭和十七年(1942)の奉納である。

また境内に石宮大神を祭る石宮神社が鎮座する。

(新潟市中央区三和町1-1:JR 新潟駅から徒歩15分。)
2002.6.13, 2008.4.6


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