にいがた百景

新津記念館(新潟市中央区旭町通〈あさひまちどおり〉)

新津記念館の外観
新津記念館は,石油王新津恒吉(にいつつねきち,1870-1939)が建てた迎賓館である。

新津恒吉は出雲崎町尼瀬に生まれ,23歳で石油精製の事業を始めた。そのころは尼瀬には石油櫓が林立し,石油生産の全盛期だった。
1900年,恒吉は製油業の本拠地を移転した。場所は偶然にも恒吉の姓と同じ新津町の滝谷。
その後,火災や水害で工場が打撃を受けたが,再建し事業を拡大した。(1917年の統計では,日本は世界第8位の石油産出国であったという。)
1938年,外国の賓客を招くために私邸内に迎賓館を建てた。戦後,占領軍に接収されて荒廃したが,1992年に修復して一般公開に供された。
なおこの迎賓館と同じ年に,恒吉の寄付金によって新潟市公会堂も造られたが,老朽化して1995年に解体された。
新津記念館の玄関新津記念館側壁
鉄筋コンクリート造り3階建てで,1階はイギリス式の客間,2階はフランス式と日本式の客間があり,調度品も贅を尽くしている。

附近の散策スポットとして,日本海タワーどっぺり坂坂口安吾碑新潟大学あさひまち展示館,會津八一記念館,新潟市美術館などもある。

(新潟市中央区旭町通一番町754-34,JR 新潟駅から徒歩35分)
2002.8.8


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