新潟市神社探訪

稲荷神社(新潟市中央区西大畑町〈にしおおはたちょう〉)

御林稲荷社参道
稲荷神社は,新潟大神宮に隣接する小社である。
「神社明細帳」の「新潟区西大畑町字藤山 無格社 稲荷神社」が当社であろうか。
『新潟市史』(新潟市役所編,1934年)によると,かつて浜浦五番官林(現在の新潟市美術館以北の一帯)に稲荷社があり「御林稲荷」と称した(長岡藩の経費援助による防砂植林につき「御林」を冠したのであろう)が,後にこれを町役人の小田平右衛門が現在地に遷し,「小田稲荷」と呼ばれて崇敬を集めていたものの,廃社となり「今存せず」という(「神社明細帳」の追記によると,大正十三年〈1924〉に廃社となったようである)。
古い地図(たとえば「慶應二年新潟分間繪圖」「明治三年新潟港圖」)には,このあたりに「イナリ」の記載が見える。あるいは当社であろうか。
新潟県神社庁が提供する「県内神社一覧」には「太平神社」として当社が記載されている。いったん廃社になったものの信徒によって再興され,新たな社号を付けたのであろう。
西大畑町の太平神社鳥居御林稲荷社鳥居
鳥居には「御林稲荷社」とある。
稲荷神社社殿
西大畑町の太平神社狐たち御林稲荷社本殿
拝殿の背後に本殿が独立している。

(新潟市中央区西大畑町5195:JR 新潟駅から徒歩35分)
2002.10.13, 2016.6.21


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