新潟市神社探訪

神明宮(船江大神宮)(新潟市中央区古町通〈ふるまちどおり〉)

新潟市古町の神明宮参道
神明宮は,白山神社の鳥居を抜け,古町通りに入ってすぐの路地の奥に鎮座する。
当社は,神明宮(祭神は天照大神と豊受大神)と船江神社(祭神は猿田彦大神と大彦大命)が合祀された神社である。
現在の正式な社号は「神明宮」である。当社作成の資料には「神明宮(合祀 船江神社)」と書かれている。
「神社明細帳」には「越後国新潟区古町通壱番町 無格社・神明宮」とある。
「船江神社」は「延喜式」にも記載がある古社で,崇神天皇期(三世紀)の創建とも伝えられる。
当社の伝承では,猿田彦大神が船に乗って流れ着いてこの地の守護神となったことを住民が喜び建立したと言う。「船江」は「船得」の意。
(ただし「延喜式」の「船江神社」の候補として,当社のほか西区赤塚の神明社がある。)
神明宮の創立時期は不明であるが,天正十九年(1591)に上杉家家臣の直江兼続(なおえかねつぐ)より社地を賜ったという記録がある。直江兼続の真筆「高天ケ原」の額を蔵する。
もとは汰江村(今の寄居町附近)にあったが,寛永年間(1624−1643)に現在地が開発され,村とともに遷ったと思われる。
由緒を異にする船江神社と神明宮であるが,明暦年間(1655-1658)以降,二社が同じ境内に建ち,元禄(1688−1703)のころから「船江大神宮」と呼ばれるようになり,安政五年(1858)に合祀されたという。
一時,新潟総鎮守とされたが,明治五年(1872)に白山神社(一番堀通町)へ氏子換えした。

新潟市古町の神明宮拝殿
社号の石柱は若槻禮次郎(内閣総理大臣)が奉納したもの。
船江大神宮(古町)拝殿船江大神宮本殿
入母屋造の拝殿の背後に建つ本殿は神明造である。

船江大神宮境内の八幡宮と白鳥神社
境内に白鳥神社と八幡宮の社殿がある。八幡宮は,もと本社に合殿で祭られていたが,安政五年に社殿を再建した際に分祀された。
白鳥神社は,アルビレックスチームの必勝祈願のために,平成二十五年(2013)に創立された。
境内にはこのほか松尾芭蕉ゆかりの浮身塚がある。

(新潟市中央区古町通一番町500,JR越後線白山駅から徒歩15分)
2003.1.1, 2003.9.23, 2005.1.2, 2011.1.22, 2015.8.8

新潟総鎮守 神明宮(合祀船江神社)(公式サイト)


新潟市中央区(新潟市街部)神社