新潟県神社探訪

鵜川神社(柏崎市新道〈しんどう〉)

新道の鵜川神社社頭
鵜川神社は,JR(信越本線,越後線)柏崎駅の南4.2キロメートル,新道地区の鵜川の左岸に鎮座する。
「神社明細帳」(明治十六年)に「刈羽郡新道村字嶋崎 延喜式内 村社 鵜川神社八幡宮」とある。
創立年月は不詳であるが,口碑に伝えるところでは,古くは現在地の北西方向に鎮座したという。
元暦元年(1184)に鎌倉の鶴岡八幡宮を勧請したとされる。「明細帳に」「更に⋯⋯勧請」とあるが,それ以前の祭神等についての記述はない。
『式内社調査報告』は,天暦元年〈947〉に鶴岡八幡宮を勧請したとするが,鶴岡八幡宮は康平六年(1063)の創立であるから成り立たない。(「明細帳」の「元暦」を「天暦」と誤読したか。)
後堀河天皇の時(1221-1232),鵜川の洪水により現在地に移転し,弘安年間(1278-1288)の火災によって神宝や文書を焼失したという。
祭神は譽田別尊で,息長足姫尊と玉依姫命を配祀し,合殿に菅原道真朝臣を祀る。また素盞嗚尊と稲田姫命が路傍の八坂神社に祀られていたが,明治八年(1875),二柱を合殿に合祀した。
新道村と大河内新田の産土神で,明治十五年(1882)に村社に列せられた。

新道の鵜川神社拝殿新道の鵜川神社本殿
新道の鵜川神社拝殿彫刻

明治四十一年(1908),字在家の熊野神社(熊野櫛日神,伊邪那美尊,事解男命,速玉男命),字正法寺の十二神社(猿田彦命,大山祇命),字正法寺の神明神社(天照皇大神,豊受姫命),字地蔵ノ木の國造神社(大己貴命,少彦名命),字下川原の八剱神社(須佐男尊,十握剱ノ霊),字小寺嶋の歳神社(和久武須比神,大年神,御年神,若年神,宇迦御魂神),字夏井の神明神社(天照皇大神,豊受姫命),字上川原の諏訪神社(健御名方命),字風牧の諏訪神社(健御名方命),字田尻の諏訪神社(健御名方命)を合併した。 明治四十二年(1909)に社殿を造営した。

「明細帳」に境内社の記録がある。
境内社は,金刀比羅神社(大物主命,金山彦命,崇徳天皇),稲荷神社(倉稲魂命,大山祇命,土祖神),粟島神社(産霊ノ神,大己貴命,少彦名命),胞衣褜姫神社(伊弉諾尊,伊弉冉尊),鹿嶋神社(武甕槌神)の合殿,また神明神社(天照大御神,豊受姫命),稲荷神社(倉稲魂命,大山祇命,土祖ノ神),石動神社(迦具土命),諏訪神社(健御名方命),瀧神社(小野道風)の合殿の二社である。この二社を明治四十五年(1912)に合併して「島崎神社」と改称した。
現在,境内社らしき社殿は見当たらない。本社に合併されているのであろう。

新道の鵜川神社境内小祠
境内の小祠。

新道の鵜川神社境内狛犬新道の鵜川神社境内狛犬と大欅
狛犬の台座には「大正十四年」と刻されている。背後の大木は国の天然記念物に指定(昭和五年)されているケヤキで,樹齢1,000年ともいう。

(新潟県柏崎市新道5127)
2020.6.21


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