新潟県神社探訪

神石神社(佐渡市沢崎〈さわさき〉)

佐渡市沢崎の神石神社遠景
神石神社(かみいしじんじゃ)は,佐渡の小木漁港の西6.5キロメートル,沢崎鼻に鎮座する。佐渡島の最西端である。
「神社明細帳」に「羽茂郡澤崎村字宮ノ前宮 村社 神石神社」とある。
岩長姫命を祭神とする沢崎の産土神であるが,創立年月は不詳。
由緒について,『佐渡神社誌』(1926)は以下の記事を載せている。

天智天皇の時、土佐の山方永楽又兵衛の三男の三助が佐渡の松ケ崎に上陸し、また能登(あるいは加賀とも)より「おとわ」なる女が沢崎に着船し、三助と逢って夫婦となった。
長男の太郎兵衛が母の意志を継いで当地で漁業を営み、あわせて土地を拓いた。
太郎兵衛は、土地の守護神として神子石(みこいわ)の上に祠を建て「神子石大明神」として崇めた。これが当社の創始である。
その後、神子石が断崖で参詣が容易でないため、元宮という場所に遷したが、谷あいで洪水の害があるため、慶長三年(1598)現在地に遷座した。(大意)

佐渡市沢崎の神石神社社殿佐渡市沢崎の神石神社本殿部分
本殿は見えない。
佐渡市沢崎の神石神社社殿内部
「神社明細帳」や『佐渡神社誌』は「神石神社」とするが,社殿内の扁額には「神子石神社」とある。
現在は「神子岩神社」あるいは「神子石神社」と呼ばれているようである。

佐渡市沢崎の神子岩
最初の鎮座地とされる神子岩(みこいわ)。当社とは600メートルほど離れている。
周辺の海岸は,枕状溶岩が奇観を形成している。

(新潟県佐渡市沢崎)
2017.3.15


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