新潟県神社探訪

白山神社(上越市頚城区手島〈てしま〉)

頚城村手島の白山神社社頭
白山神社は,旧中頸城郡頚城村の手島地区,北越急行(ほくほく線)くびき駅の南西300メートルに鎮座する。
「神社明細帳」(明治十六年)に「中頸城郡手島村字宮付 無格社・白山社」とある。
かつて「美守神社」と称した古社で,創立時期は不詳である。「村史」は貞観二年(860)創立とする説を引いている。
祭神は伊弉冉尊である。
社殿に掲げられた「往古の縁起」には,加賀白山から伊弉諾尊と伊弉冉尊の二柱を勧請したが,元禄年間(1688-1704),止宿した汚穢不浄の乞食の失火によって社殿が灰燼に帰し,これにより一柱の御神が行方知れずになったという伝承を記している。
明治五年(1872)に柏崎県によって村社に列せられた。
明治四十一年(1908),字大割の神明社(天照大御神)を合併した。神明社は用水溜の鎮護として私的に奉祭されていたという。
大正六年(1918)に村社に列せられ,ついで社号を「白山神社」と改称した。
頚城村手島の白山神社社殿頚城村手島の白山神社拝殿内部
頚城村手島の白山神社社殿(側面)

頚城村手島の白山神社狛犬(吽形)頚城村手島の白山神社狛犬(阿形)
拝殿前の狛犬の台座には「大正五年」の刻銘がある。
頚城村手島の白山神社境内石祠
石祠が集められた区画にアーチ状の「刳り石(くりいし)」が保存されている。
この地域は昔から農業用水の安定供給に苦労した。溜池から用水を通す暗渠の落盤を防ぐために,このような石が使われた。

(新潟県上越市頚城区手島490番地)
2014.7.26


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