新潟県神社探訪

風巻神社(上越市三和区岡田〈おかだ〉)

上越市三和区岡田の風巻神社社頭
風巻神社(かざまきじんじゃ)は,旧中頸城郡三和村の岡田地区に鎮座する。
「神社明細帳」(明治十六年)に「中頸城郡岡田村字社地山 郷社・風巻神社」とある。
「明細帳」は創立の伝承を二説載せている。神功皇后の時に筑紫の八海ヶ嶽よりこの地に出現したとも,また天暦二年(948)に勅許によって勧請したともいう。
かつて「風巻山大権現」と称した。祭神は級長津彦命(シナツヒコ)と級長戸邊命(シナトベ)で,合殿に天照大神と月讀尊を祀る。岡田地区の産土神である。
明治六年(1973),郷社に列せられた。
明治四十三年(1910),字居村の十二社(天神七代地神五代ノ神)と諏訪社(健御名方命)を合併した。
昭和二十年(1945)に「縣社」昇格の申請を準備していたところ,神祇院の事務が停止されたため申請不受理となったが,神祇院考證官による「内規に照らして縣社に該当する」との証明を得たようである。

上越市三和区岡田の風巻神社参道
やや長い坂道の参道は,途中で左折している。参道の脇に出雲神社の祠がある。
上越市三和区岡田の風巻神社拝殿上越市三和区岡田の風巻神社拝殿額上越市三和区岡田の風巻神社拝殿内部
入母屋造りの拝殿の向拝には唐破風が付いている。拝殿内部には絵馬などが飾られている。
上越市三和区岡田の風巻神社本殿
三間社の本殿は,拝殿とは独立して建っている。背後の社地山(標高200m)には奥宮がある。
なお,『中頸城郡誌』に「本社は山嶺に拜殿は中腹に在り」とあるので,これは拝殿かもしれない。
上越市三和区岡田の風巻神社社殿全景上越市三和区岡田の風巻神社神輿
翌日の祭礼の準備で,拝殿左の神輿庫が開かれている。

上越市三和区岡田の風巻神社境内住吉神社
境内に石祠が集められている。
「明細帳」は境内社を三社記録している。
宝暦二年(1752)創立の住吉神社(表筒男命,中筒男命,底筒男命)のほか,三社神社(大國主命,天手力雄命,水天宮),稲荷社(倉稲魂命)である。

(新潟県上越市三和区岡田)
2014.7.19


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