新潟県神社探訪

羽黒神社(長岡市小貫〈こつなぎ〉)

長岡市小貫の羽黒神社社頭
羽黒神社は,旧栃尾市の北部,見附市との境界に近い小貫地区に鎮座する。
「神社明細帳」(明治十六年?)に「古志郡小貫村字宮橋 無格社・羽黒三柱神社」とある。
創立年月は不詳だが,勧請主の外山氏が代々守護した。
祭神は天照皇大神,月讀尊,倉稲魂命である。
明治四十一年(1908),字宮橋の諏訪神社(小貫村の産土神で,祭神は健御名方命)と,字向山の正倉神社(矢之波々伎命)を合併し「羽黒三柱神社」を現社号に改めた。
長岡市小貫の羽黒神社社殿長岡市小貫の羽黒神社拝殿額
朱の鳥居を二つくぐると高台の上に重厚な社殿が建っている。額に「鎮国羽黒社」とある。
長岡市小貫の羽黒神社拝殿見上げ長岡市小貫の羽黒神社拝殿(唐破風)
当社は,社殿の彫刻(宮彫り)の素晴らしさで知られる。(→社殿細部

長岡市小貫の羽黒神社狛犬(吽)長岡市小貫の羽黒神社狛犬(阿)長岡市小貫の羽黒神社境内稲荷殿
社殿前に古風な狛犬が置かれている。台座には「天保十□年」とある。
また「稲荷殿」の中には石の祠がいくつか収納されている。

外山脩造碑外山脩造碑
境内に,外山脩造(1842-1916)を顕彰する碑がある。
外山脩造は当地の長岡藩士の家で生まれ,江戸に出て昌平坂学問所などで学んだ。
長岡藩の河井継之助の指揮下で戊辰戦争に従軍したが,戦後は商人となることを河井に勧められた。
維新後は慶應義塾で洋学を学び,阪神電鉄の初代社長などを務めた。
碑文は漢文(三島毅の撰文)であるが,丁寧な口語訳が添えられている(平成十五年建立)。

(新潟県長岡市小貫)
2014.7.5


旧栃尾市北部(上北谷,上塩谷,下塩谷,栃尾町)神社