新潟市神社探訪

内沼神社(新潟市北区内沼〈うちぬま〉)

新潟市北区内沼の内沼神社社頭
内沼神社は,JR(白新線)豊栄駅の南3キロメートルに鎮座する。
「神社明細帳」(明治十六年)に「北蒲原郡東里飯野新田字内沼 無格社・綿向神社」とある。
祭神は天穂日命で,内沼地区の一部の産土神であった。
「明細帳」は由緒を不詳とするが,当社には「綿向神社勧請石柱」という新潟市指定の文化財が残されており,それに由緒が記録されている。
それによると当社は享保十七年(1732)の創立である。延宝年間(1673-80)に近江国の沢田太兵衛が新発田に移住し,その孫の六郎兵衛が享保十五年(1730)に潟周辺の土地を購入して田畑を開発し,享保十七年に先祖の氏神である綿向神社*(わたむきじんじゃ)を勧請したという。
(*綿向神社は,滋賀県蒲生郡日野町に鎮座する古社で,『延喜式』に見える。)
村内に複数の神社が鎮座したが,戦後になって宗像神社(市杵島姫命),日枝神社(大己貴命),神明社*と合併して社号を改めた。
(*「神社明細帳」によると内沼地区には神明社が二座あった。綿向神社と合併した神明社がいずれか,不明。)

新潟市北区内沼の内沼神社拝殿新潟市北区内沼の内沼神社拝殿の額
新潟市北区内沼の内沼神社拝殿内部
拝殿の右奥に「綿向神社勧請石柱」が保存されている。
新潟市北区内沼の内沼神社社殿(横から)新潟市北区内沼の内沼神社拝殿内部
現在の社殿は昭和五十三年(1978)に建てられた。

新潟市北区内沼の内沼神社からの景観
境内から飯豊連峰(二王子岳の方向)を眺める。

(新潟県新潟市北区内沼甲1142番地)
2014.3.9


新潟市北区(旧 豊栄市〈長浦地区〉)神社