新潟県神社探訪

鹽竈神社(村上市塩谷〈しおや〉)

村上市塩谷の鹽竈神社社頭
鹽竈神社は,JR(羽越本線)平林駅の南西5キロメートル,荒川河口の右岸,旧神林村の塩谷地区に鎮座する。
塩谷地区はかつて北前船の交易によって繁栄した港町である。出格子を持つ町屋が並び,風情ある貴重な景観が保存されている。
当社は「神社明細帳」(明治十六年)に「岩船郡塩谷町字宮町 無格社・塩竃神社」とある。
主祭神は塩土老翁命で,合殿で天照皇大神と水波女命を祀る。
承安三年(1173)字古屋敷の地に,塩谷と塩谷新田の産土神として創立し,享保十六年(1731)に現在地に遷したと伝える。
慶長二年(1597)には本庄家長が社殿を再建したという。
昭和十二年(1937)に村社に列せられた。

村上市塩谷の鹽竈神社拝殿村上市塩谷の鹽竈神社拝殿の額
現社殿は明治十一年(1878)に再建されたもので,拝殿と幣殿は昭和十八年(1943)に改築された。
村上市塩谷の鹽竈神社拝殿向拝柱木鼻(左)村上市塩谷の鹽竈神社拝殿向拝村上市塩谷の鹽竈神社拝殿向拝柱木鼻(右)
村上市塩谷の鹽竈神社本殿村上市塩谷の鹽竈神社本殿
本殿の装飾も力強い。

村上市塩谷の鹽竈神社境内社村上市塩谷の鹽竈神社境内の北前船錨
「明細帳」は境内社を二社記録している。稲荷神社(倉稲魂命)と金刀比羅神社(金山彦命)である。
稲荷神社は享保年間の創立と伝える。金刀比羅神社は,円福寺境内に祀られていたものを明治になって遷したという。
北前船の錨が奉納されている。

(新潟県村上市塩谷)
2013.6.29


旧神林村神社