五社宮は,旧越路町の不動沢に鎮座する。もともと熊野社(伊邪那美尊,速玉男命,大事忍男命)であった。
「神社明細帳」(明治十六年)に「三嶋郡不動沢村字上ノ山 無格社 熊野社」とある。
かつてこの場所に大樹があり,神木として信仰されていたが,正保年中(1644-1647)に枯死した。神木の跡に石祠を建てて熊野三社大権現と称し,産土神としてますます崇敬を集めた。
安政六年(1859)に社殿を建造した。
明治十七年(1884)に,村内の字西前の日吉社(大山咋命),神明社(天照皇大神),白山社(白山姫命)および字袖山の諏訪社(健御名方命)を合併し,五社宮と改称した。
現在も「熊野神社」あるいは「熊野五社宮」と呼ばれているようである。
参道は鬱蒼とした杉並木である。
拝殿の左奥に八海山の石祠が祀られている。
拝殿の篇額には「明治二十四年」とある。
本殿に見事な職人技が見える。安政六年造営の社殿がこれであろう。
境内には,八海山のほか蚕神,諏訪大神,秋葉大神などの石祠が丁寧に祀られている。
(新潟県長岡市不動沢)
2012.5.4