にいがた百景

煮坪(新潟市秋葉区草水町〈くそうずちょう〉)

新津油田の跡・煮坪
煮坪(にえつぼ)は,JR(磐越西線)東新津駅の南東1キロメートルにある。
慶長十三年(1608),新発田藩の命を受けた真柄仁兵衛(まがら・にへえ)がこの場所で石油を発見した。これが新津油田の発祥である。仁兵衛は藩から採掘権を買って開発を進めた。
大正期になると新津油田は日本一の出油量を誇ったが,しだいに自噴が弱まり,1990年代に完全に採掘作業が終了した。
今は,新津油田を偲ぶ史跡として保存されている。
煮坪近景煮坪の油
水面には今も油が浮いている。

江戸時代の煮坪
江戸時代には「越後七不思議」の一つとして知られ,多くの文人墨客が訪れた。『北越奇談』(橘崑崙),『滑稽旅賀羅寿』(十返舎一九),『後越薬泉』(小村英菴)などに紹介されているという。

(新潟県新潟市秋葉区草水町三丁目)
2012.4.8


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