新潟県神社探訪

荒川神社(村上市荒川〈あらかわ〉)

村上市荒川の荒川神社鳥居
荒川神社は,旧岩船郡山北町の荒川地区に鎮座する。社地は,JR(羽越本線)府屋駅から南東に10キロメートル余りの山間の集落である。
「神社明細帳」に「岩船郡荒川村字向山 無格社 白山神社」とある。
菊理媛命を祭神とする荒川地区の産土神であるが,創立年月は不詳。天安元年(857)創立とする伝承もある。
「荒川神社」と称していたが,いつのころからか「白山神社」と呼ばれるようになったという。
明治三十九年(1906)に字坂ノ上の神明社(天照皇大神)と字南山の山神社(大山祇命)を合併した。
大正十二年(1923)に社号を「荒川神社」に復した。
昭和六年(1931),祭神に天兒屋根命を加えた。(「町史」によると,板垣家の祖先が河内国の牧岡社から天児屋根命を,富樫家の祖先が加賀国の白山比咩神社から菊理媛神を勧請したという。)
村上市荒川の荒川神社社殿正面村上市荒川の荒川神社社殿額
拝殿の額には「式内荒川神社」とあるように,当社は『延喜式』所載の「荒川神社」(岩船郡八座の一)の論社である。
(『特選神名牒』が当社を式内社とする伝承を紹介した上で,それを否定している。)
村上市小岩内の荒川神社胎内市桃崎浜の荒川神社も「式内・荒川神社」の候補である。)
村上市荒川の荒川神社境内全貌
境内はかなり広く,イチョウの巨木などが目を惹く。

村上市荒川の荒川神社境内稲荷社
境内に稲荷神の祠が祭られているが,ログハウスのような洒落た覆屋で保護されている。

(新潟県村上市荒川542)
2011.7.9


旧山北町北東部神社