鰐口神社(わにぐちじんじゃ)は,JR(越後線)寺泊駅の西900メートル,旧三島郡寺泊町の鰐口地区に鎮座する。
広大な水田地帯に鬱蒼とした社叢が遠方からよく目立つ。
「神社明細帳」に「三島郡鰐口村字前諏訪山 無格社・諏訪神社」とある。
健御名方命を祭神とする鰐口の産土神で,創立年月は不詳。
明治四十一年(1908),鰐口村の別の場所に鎮座した道祖神社(猿田彦命)を合併し,社号を鰐口神社と改めた。
現状は,境内に猿田彦神社が独立して祭られており,しかも祠の改築も最近おこなわれている。表向きは「合併」し,実は個別の崇敬が維持されているのであろう。
参道入口の石鳥居(平成二年)の額束には「鰐口神社」ではなく「諏訪神社」とある。
入母屋造の拝殿に「鰐口神社」の額が掛かっており,拝殿の背後に本殿を覆うコンクリート造の建造物が建っている。
社殿の右に「猿田彦神社」の碑がある。裏面には「古祠修営 平成十三年五月吉日」とある。
細い参道の奥に石祠が祭られている。
深い社叢が夏の日差しを完全に遮っている。
(新潟県長岡市寺泊鰐口)
2010.5.30