新潟県神社探訪

松苧神社(十日町市犬伏〈いぬぶし〉)

松苧神社参道入り口
松苧神社(まつおじんじゃ)は,旧東頸城郡松代町の犬伏地区,松苧山(365m)の山頂に鎮座する。
「神社明細帳」(明治十六年)に「東頸城郡犬伏村字松苧山 村社・松苧神社」とある。
大同二年(807)に坂上田村麻呂が奥州征伐のさいに創建したと伝える。初め「松苧大権現」として松山郷六十六ケ村の産土神として崇敬を集めたという。源義家,足利義尚,上杉謙信らが祈願したとも伝えられる。
祭神は大山咋命である。
明治二年(1869)に現社号に改め,同五年(1872)に旧柏崎県において村社に列せられ,翌年郷社に昇格した。
慶長四年の「由緒御神号書上帳」によると,古くは「五十君神社」と称し,後に「松苧山八社大権現」として天照皇大神,素盞嗚尊,天津彦根命,大国主命,吉備武彦命,平彦別命,四海彦命,四海姫命を祭っていた。
明治以前は女人禁制であった。
当社を『延喜式』所載の「阿比多神社」とする説もある(『越後国式内神社案内』)が,上越市長浜に鎮座する阿比多神社を式内社とするのが有力である。
松苧神社鳥居松苧神社旧社殿跡
参道の入り口から社殿までは,滑りやすい急な山道を20分ほど登る。
参道の途中の鳥居前に,かつて白馬観音が祭られていた場所がある。女人禁制のころ,ここまでは婦女子の参詣が許されていた。
山頂近くに,旧社殿の跡を示す標識(元権現跡)がある。社殿建立時に,地盤に柱を立てて社殿を支える「懸造り(かけづくり)」の工法によってこの場所に建っていたが,ほどなく山頂の現在地に移築されたという。

松苧神社本殿正面松苧神社本殿向拝部分
本殿は向拝から発見された墨書により明応六年(1497)の建立であることが確認された。新潟県内で最古の建築物で,昭和五十三年(1978)に国の重要文化財に指定され,同五十六年(1981)から翌年にかけて文化庁によって改築工事がおこなわれた。
本殿の内陣に宮殿と神輿があり,御輿は安土桃山期の作とされる。

(新潟県十日町市犬伏)
2009.9.21


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