新潟県神社探訪

桐原石部神社御廟所(寺泊下桐〈てらどまりしもぎり〉)

桐原石部神社御廟所参道
桐原石部神社(きりはらいそべじんじゃ)の御廟所は,JR(越後線)寺泊駅の南西1.5キロメートルの五社山と呼ばれる丘の上にある。
「神社明細帳」(明治十六年)に「三嶋郡下桐村字五社 式内無格社・桐原石部神社」とある。
天日方奇日方命を祭り,南西400メートルに鎮座する桐原石部神社の御廟所とされている。
伝承では,往古,祭神の天日方奇日方命(アメノヒガタクシヒガタ)がまずこの場所に鎮座したが,永禄年間(1558-1569)に現在の鎮座地である和田山に遷り,以後この地を御廟所と称することになったという。
なお,昭和五十五年(1980)の国立療養所(現在は「介護老人保健施設てらどまり」)の建設にともない,事前に丘の発掘調査がおこなわれ,頂上に祭られていた石祠が少し移動したのが現況である。
桐原石部神社御廟所の石祠桐原石部神社御廟所石祠
石祠は千鳥破風の付いた精巧なもので,傷みも少ない。
1979年の発掘調査では,下層の盛土から寛永通宝などが出たが,古代にまでさかのぼる遺物は無く,この場所と「延喜式内・桐原石部神社」の関連を示す手がかりは得られなかったようである。
(参考:新潟県教育委員会「国立寺泊療養所建設埋蔵文化財発掘調査報告書:桐原石部神社御廟所」1980年)

桐原石部神社鎮座地
桐原石部神社が鎮座する丘を眺めることができる。

(新潟県長岡市寺泊下桐)
2009.4.29


旧 寺泊町(南東部)神社