にいがた百景2

八海山(八ツ峰)(南魚沼市大倉〈おおくら〉)

六日町から眺める八海山
八海山(はっかいさん)は魚沼地域にそびえ立つ信仰の山である。六日町(南魚沼市の中心部)から見るその姿は特にすばらしい。
大同三年(808)に空海が登り,山上に八つの池があったので八海山と名付けたという伝承がある。
神仏習合時代は,八海山の本地仏薬師如来(および垂迹である国狭槌尊)が信仰の中心となった。
現在でも講が組織され,県外からも崇敬を集めており,山麓一帯には八海神社ほか,山岳信仰と結びついた神社や,遥拝所の性格を持つ神社が多い。
八海山の山頂を見る
信仰の核心をなす山頂部は「八ツ峰」と呼ばれ,鎖場が連続する痩せた峻厳な岩稜である。
左手から地蔵岳,不動岳,七曜岳,白河岳,釈迦岳,摩利支岳,剣ケ峰,大日岳と続く。
2009年のNHK大河ドラマ「天地人」のタイトルバックで山頂(地蔵岳)の空撮映像が使われたことでも知られる。

八海山登山道摩利支岳
八ツ峰の全体が難所の連続で,オーバーハングの登り下りもあり,1時間ほどはまったく気が抜けない。
視覚的な恐怖感も,また実際の難度や要する体力(特に腕力)も,鹿島槍や白馬連峰の不帰峰などの有名な鎖場をはるかに上回る。事故も多い。

八海山の大日岳天照大神の祠
八ツ峰の最後が大日岳で,大日如来の垂迹である天照大神を祭る祠などが建っている。
(参考:→厳冬期の八海山

(新潟県南魚沼市大倉)
2007.9.9, 2008.8.9


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