新潟県神社探訪

神明社(北蒲原郡聖籠町諏訪山〈すわやま〉)

聖籠町諏訪山神明社
神明社は,JR(白新線)佐々木駅の北東3キロメートル,諏訪山の中の本諏訪山地区に鎮座する。
もと諏訪神社で,「神社明細帳」(明治十六年)に「北蒲原郡諏方山新田字諏方之浦 無格社諏方神社」とある。
由緒は不明で,祭神は健御名方命である。
昭和三年(1928),字川端の神明社(天照皇大御神)を合祀し,社号を神明社とした。

聖籠町諏訪山神明社社殿諏訪山の神明社本殿
境内は広くなく,社殿も簡素である。

聖籠町諏訪山
社地は周囲より少し高くなっている。

一説に,この諏訪神社は,孝徳天皇のころ(七世紀)の創立とも伝えられる古社である。
当時,北方経営の拠点として沼垂の柵と磐舟の柵が設けられたことにともない,信濃からの移民が多くあり,彼らがこの地に諏訪神社を勧請したのではないかとされている。
その後,諏訪神社は天文年間(1532-1554)に中曽根村(現在の新発田市)に分霊され,これが新発田総鎮守として知られる諏訪神社(新発田市諏訪町)の起源だという。
思うに,古くからここに鎮座した諏訪神社は,新発田に分霊されたのではなく完全に遷ったのではないか。
昭和三年に別の場所の神明社を合祀したと伝えるが,実際はここ諏訪神社の故地に神明社が遷されたのであり,その機会に地名の由来でもある諏訪神社を合祀したのではないか。そのため社号が旧来の諏訪神社ではなく神明社に変更されたのであろう。

(新潟県北蒲原郡聖籠町諏訪山)
2008.3.23


聖籠町神社