開運稲荷社は曽根神社の境内に鎮座する。祭神は宇迦魂大神と高橋源助(注)である。
曽根神社一帯は古くは富出村と呼ばれていたが,そこから別れた六分集落で稲荷神が祭られていた。
個人の宅地に祭られていたためその場所は転々とし,大正十年(1921)ころ曽根神社の境内の隅に祭られたが,その後も境内で移転を繰り返したという。その間に高橋源助の霊が合祀された。
(注)
高橋源助(たかはしげんすけ):
曽根村の庄屋。かつて曽根の地の水田は水不足に悩んでいた。源助は用水路の掘削を計画した。役人はこれに難色を示したが,源助は「首をかける」として掘削を始めた。水路は完成したが,役人がひそかに樋管に板をはめ込んでいたため水が流れず,源助は首をはねられた。ところが川に沈んだ首が板を加えて浮上し,用水路に水が流れた。
(新潟県新潟市西蒲区曽根)
2006.10.28