石井(いわい)神社は,JR北条駅の西700メートルに鎮座する。
「神社明細帳」(明治十六年)に「刈羽郡北條村字宮ノ入 無格社・石井神社」とある。
『延喜式』所載の石井神社(三嶋郡六座の一)の論社である。(西山町石地の石井神社,出雲崎町の石井神社,長岡市上岩井の石井神社ほか数社が,式内・石井神社の可能性があるとされている。)
承和十四年(847)に,相模国高座郡の寒川神社を分祀したとされる。現在の祭神は,誉田別尊,気長足姫命で,天照皇大神と寒川比古命,玉依姫命を配祀する。
社号標はあるが鳥居や狛犬はない。
かつては八幡宮と称し,拝殿内には「石井八幡宮」の額が見える。拝殿は,柏崎市と新潟県の指定文化財である。内部の柱や蟇股(かえるまた)の一部に室町期の様式をとどめるという。
隣接して八幡神社が鎮座する。当社と合わせて「両八幡宮」と称し,祭神,祭日,氏子をまったく同じくするとも伝える。
また,当社の北東800メートルに御嶋石部神社(式内・御嶋石部神社の論社)が鎮座するが,西山町石地にも同様に式内論社の石井神社と御島石部神社の二座がわりあい近くに鎮座する。偶然かもしれないが奇妙な符合である。
(新潟県柏崎市北条)
2006.5.6