牛尾神社は,両津港の南5キロメートルに鎮座する。
「神社明細帳」(明治十六年)に「佐渡國加茂郡潟上村字宮添 郷社・牛尾神社」とある。
延暦十一年(792)の創立と伝える古社である。出雲大社を勧請したという。
祭神は大己貴命と素盞嗚尊で,須世理比咩命,櫛名田比賣命を配祀する。さらに合殿で足名椎命,手名椎命を祀っている。
かつて「八王子宮」とも称されていたが,明治六年(1873)に「潟上神社」と改め,郷社に列せられた。さらに翌年,現社号に改称した。
また,現社地の近隣に鎮座した日吉神社系の神社と祇園社系の神社が統合されたのが当社で,それにより「八王子宮牛頭天王両社」と称されたとされ,現在の場所には寺院があったとされる。
大正二年(1913),字梅ケ久保の菅原神社(菅原道真朝臣)を合併した。
明治三十二年(1999)に社殿を焼失し,同三十四年に再建したのが現在の社殿である。
当社には,聖徳太子像(1353年),薬師座像(1405年),天神像(1867年)などの宝物が蔵されている。
境内に神明社(正徳五年〈1715〉の成立で祭神は大日孁尊)と北野神社(菅原道真朝臣)が建っている。
(新潟県佐渡市新穂潟上)
2006.3.12