新潟県神社探訪

水嶋礒部神社(糸魚川市筒石〈つついし〉)

糸魚川市筒石の水嶋礒部神社
水嶋礒部神社(みずしまいそべじんじゃ)は,筒石漁港の東の高台に鎮座する。
「神社明細帳」(明治十六年)に「西頚城郡筒石村字潜岩 無格延喜式内 水嶋礒部神社」とある。
筒石の産土神であるが,創立年月は不詳。上杉謙信公が能登の七尾城を攻めるにあたって当社に祈願したという伝承がある。
天正年間(1573-1592),村を分割して仙納村を置くにあたり,当社に合併されていた大鷦鷯尊を仙納村の鎮守(糸魚川市大字仙納に鎮座する若宮八幡神社)とし,当社は諏訪大明神となったと伝える。
文化十一年(1814),吉田家の許可によって「水嶋礒部神社」を社号とした。
祭神は健御名方命のほか,天照皇大神,豊受大神,奇日方命を配祀し,合殿で舩玉ノ神を祀っている。
大正十四年(1925)に村社に列せられた。
『越後国式内神社考』は,当社を式内「水嶋礒部神社」(頸城郡十三座の一)とする説を紹介している。(旧中頸城郡清里村梨平の水嶋磯部神社を式内社とする説もある。)
境内に地主神社と称する一社が鎮座する。祭神は不詳だが,「葉比呂ノ跼翁」を祭るともいう(『西頸城郡誌』)。
水嶋礒部神社社殿水嶋礒部神社拝殿部分水嶋礒部神社額
「明細帳」の記載によると,寛文五年(1665)焼失のほか,享保六年(1721),文政十三年(1830),嘉永七年(1854)に再建と伝える。
水嶋礒部神社拝殿内部

(新潟県糸魚川市大字筒石)
2005.7.23


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