新潟市神社探訪

藤戸神社(新潟市東区松崎〈まつさき〉)

藤戸神社
藤戸神社は式内社として有名な大形神社の東800メートルに鎮座する。一帯は砂丘の上に延びる古くからの住宅地で,周囲に寺も多い。
「神社明細帳」(明治十六年)に「中蒲原郡松崎村字居浦郷 村社・藤戸神社」とある。
松崎の産土神で,祭神は宇多天皇である。創立年月は不詳。
建仁元年(1201),鳥坂城(とっさかじょう)に籠った城資盛を討った佐々木盛綱が凱旋の帰路,この地に立ち寄り社殿を造営したのが起源だとする伝承がある。
「明細帳」は境内社として神明社(天照皇大神)と稲荷社(宇賀魂命)の二社を記録している。
今,境内社が見当たらないので本社に合併されたと思われる。ただし,拝殿の扁額には「稲荷神社・藤戸神社・西宮神社」とあり,「明細帳」の記録とは異なる。
しめ縄は,東新潟地区で時おり見かける「めがね様式」の変種であろうか(太郎代の白山媛神社新発田市の古四王神社など)。

藤戸神社拝殿
藤戸神社拝殿藤戸神社拝殿藤戸神社拝殿
拝殿は安政二年再建の記録がある。大形神社の拝殿に似た構造だが,唐破風があり,なかなか立派である。細部の装飾もいい。龍には眼がある。

藤戸神社の塀
煉瓦細工の塀が奉納されており,珍しい。

なお,新発田市東宮内にも佐々木盛綱が創建したとされる藤戸神社がある。

(新潟市東区松崎1355,新潟交通バス・下松崎下車徒歩5分)
2004.5.30


新潟市東区(大形地区)神社