新潟県神社探訪

藤戸社(新発田市東宮内〈ひがしみやうち〉)

藤戸社鳥居
藤戸社は,JR新発田駅の北東5キロメートルに鎮座する。櫛形山脈の南端,要害山の麓に朱の鳥居が見える。
(要害山は,鎌倉時代初頭の越後守護兼加治荘地頭・佐々木盛綱が築城した山として知られる。)
「神社明細帳」(明治二十年)に「北蒲原郡東宮内村字藤山 村社・藤戸社」とある。
『菅谿史跡』なる文献が,藤戸神社を「延喜式」所載の「美久理神社」(沼垂郡五座の一)に比定しているという。(また新潟市沼垂東の白山神社,あるいは二王子神社を美久理神社とする説もある。)
「明細帳」は,建久年間(1190-98)佐々木盛綱が勲功によって当地の地頭に任ぜられ,要害山に大祖の宇多天皇を祭り「藤戸神社」と号したとする。それが正しいとすると,鎌倉期の創立ということになり,式内社ではない。
祭神は宇多天皇と大己貴命である。明治四十一年,字神明山の神明社(天照皇大神)を合併した。
「明細帳」は境内社として石動社を記録している。
藤戸神社参道藤戸神社拝殿
社殿までは急峻な長い石段が続く。両脇は杉の古木が並ぶ。(境内にはヘビが多いので注意。)

藤戸神社本殿藤戸神社本殿
拝殿の裏に,さらに石段が続き,頂上に本殿が建つ。
藤戸神社本殿細部

このあたりからは,飯豊連峰の入門の山として親しまれている二王子岳(にのうじだけ)の眺望もよい。
なお,新潟市松崎(まつさき)にも,佐々木盛綱が創建したとされる同名の藤戸神社がある。

(新潟県新発田市東宮内441)
2004.5.2


旧新発田市(菅谷,蔵光)神社