新潟県神社探訪

宇奈具志神社(長岡市島崎〈しまざき〉)

長岡市島崎の宇奈具志神社
宇奈具志神社(うなぐしじんじゃ)は,JR(越後線)小島谷駅の北1キロメートルに鎮座する。周囲には良寛ゆかりの史跡が多い。
「神社明細帳」(明治十六年)に「三島郡島崎村字上 村社・宇奈具志神社」とある。
祭神は大田命で,島崎の産土神である。
当社は「延喜式」所載の「小丹生神社」(古志郡六座の一)の論社である。
(「延喜式」には「小丹生神社」とは別に「宇奈具志神社」があり当社と社号が一致するが,なぜか当社は「式内・宇奈具志神社」ではなく「式内・小丹生神社」を名乗っている。なお,見附市名木野町の小丹生神社も「式内・小丹生神社」を主張している。)
農耕や糀(こうじ)の製法を民に教えた大田命(おほたのみこと)が養老年間(717-723)に天下ったのを起源とするという伝承が「神社明細帳」(明治十六年)に採られている。
降臨の地(字大田中)に神殿を建て,出田神社(いづるたじんじゃ)と称して信仰を集めたという。
出田神社は,宝治二年(1248)に現在地に遷座されたという。
旧社地は「神廟」と呼ばれ,今も祭られている。(→宇奈具志神社神廟
長岡市宇奈具志神社宇奈具志神社
明治三年(1870)に宇奈具志神社と改称し,同六年(1873)に村社に列せられた。
明治四十年(1907),字立野の諏訪社(建御名方命),字川東の諏訪社(建御名方命),字大武の天王社(素盞嗚尊),字上の金刀比羅社(大物主命)を合祀した。

宇奈具志神社の境内宇奈具志神社の狛犬
いくつか境内社が並ぶ。
「明細帳」は境内社を三社記録している。十二社(大山祇命,伊弉諾尊,伊弉冉尊,天照皇大神,忍穂耳尊,瓊瓊杵尊,火火出見尊,葺不合尊,国狭槌尊,豊雲野尊,泥土煮尊,大戸道尊),伊勢社(天照皇大神,月讀尊),稲荷社(宇迦魂命)である。
写真は稲荷神社。

(新潟県長岡市島崎,JR越後線・小島谷駅下車徒歩10分)
2004.5.1


旧 和島村神社