新潟県神社探訪

石井神社(柏崎市西山町石地〈にしやまちょういしじ〉)

石井神社正面
石井神社は,旧西山町と出雲崎町の境界,旧西山町の石地地区に鎮座する。社地は,海岸を見おろす丘陵地である。
「神社明細帳」(明治十六年)に「刈羽郡石地村字十二 村社・石井神社」とある。
当社は『延喜式』(神名帳)所載の「石井神社」(三嶋郡六座の一)の論社である。
当社のほか,出雲崎町石井町の石井神社や柏崎市北条の石井神社,長岡市上石井の石井神社,柏崎市西本町の石井神社も「式内石井神社」の候補である。
往時は海岸に近い場所に祀られていたが,寛治六年(1092)の地震と津波によって社地が崩壊したため石井山(現在地)に遷したという。 主祭神は石凝姥命であるが,ほかに十一柱を配祀する。すなわち句々迺馳命,加具土命,金山毘古命,波邇夜須姫命,彌都波能賣命,磐土命,赤土命,底土命,大綾津日命,大直日命,大地海原命である。
当社を指して「石井十二神社」「石井十二明神」とする文献もあり,かつては「十二神社」と呼ばれていたらしい。
石井神社正面
社殿の横に神楽殿があり,拝殿とつながっている。
石井神社正面 石井神社拝殿内部
拝殿内に祭神や社号を記した額が掛かっている。
石井神社本殿石井神社本殿の細部
拝殿の背後に本殿が建っている。

石井神社正面
拝殿の横に十二社が祭られている。「明細帳」は境内社十一社を記録しているが,その十一座ともう一座(不明)を合祀したのであろうか。
「明細帳」所載の境内社は,神明宮(天照皇大神),龍神社(高龗神),金刀比羅神社(大物主命),八坂神社(素盞嗚尊),粟島神社(少彦名命),天満宮(菅原道眞朝臣),戸隠神社(手力雄命),杵築神社(大己貴命),諏訪神社(健御名方命),秋葉神社(迦具土命),稲荷神社( 倉稲魂命)である。
社殿の横に由緒らしき物が建っているが,字が薄く判読不能。

当社には「大和舞」とよばれる神楽が伝承され,九月末の秋祭りで演じられている。
この神楽は出雲系神楽とされ,柏崎一帯に保存されている。物部神社(柏崎市西山町二田),多岐神社(柏崎市西山町別山)などでも伝承されている。

当社の南方500メートルには式内社御島石部神社が鎮座する。

(新潟県柏崎市西山町石地1045)
2004.3.22, 2008.7.12


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