新潟市神社探訪

口之神社(新潟市中央区古町通二番町〈ふるまちどおりにばんちょう〉)

新潟市古町通の口之神社
口之神社は,古町通二番町の愛宕神社境内に鎮座する。
千葉県の口の宮(将門大明神)に祭られる木内惣五郎(佐倉宗五郎)の霊を祭っている。

江戸中期に,新潟町人が長岡藩の行政に不満を抱いて暴徒と化した「明和騒動」が起きた。この事件の首謀者の涌井藤四郎は死罪となった。(事件の詳細は明和義人顕彰之碑にある。)
明治になると,涌井藤四郎は一転して「義民」として讃えられることになった。
涌井らの霊を鎮めるため,同じ「義人」とされていた佐倉宗五郎の霊をこの地に分霊して創建されたのが,この神社である。
新潟市古町通の口之神社新潟市古町通の口之神社社殿内部
社殿内に掛かる額は,左から「岩船屋佐次兵衛命」「涌井藤四郎命」「口之神社」「木内宗五命」。

(参考)佐倉宗五郎

佐倉宗五郎は佐倉藩(千葉県)の名主。領民の窮状を見かねて上野寛永寺で将軍(家綱)に直訴した。失政を指摘された藩主の堀田正信は激怒し,宗五郎一家は死罪となった。
その後,堀田家に不幸が続く。藩主の改易や自殺,暗殺などが起き,「宗五郎怨霊」説が流布した。約百年後,堀田氏はようやく山形から佐倉に戻された。時の藩主堀田正亮は口の宮神社に宗五郎の霊を祭り,その怨霊を鎮めたという。

(新潟市中央区古町通二番町愛宕神社境内,JR越後線白山駅から徒歩15分)
2004.1.1 2012.1.28


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