新潟県神社探訪

八坂神社(上越市西本町〈にしほんちょう〉)

直江津の八坂神社正面
八坂神社は,JR直江津駅に近い繁華街の中に鎮座する。
駅前通りを北に向かって2,3分進むと,左手に神社への入り口がある。参道にはスナック,カラオケなどが軒を連ねが,鳥居から先は森厳とし,内外の落差が激しい。
「神社明細帳」(明治十六年)には「中頸城郡砂山村字土武利橋 村社・諏訪神社」とある。
健御名方命,須佐男尊,大山咋命を合殿で祀り,初め「諏訪神社」を社号としたようである。各所に鎮座した三社が元禄二年(1689)に合祀されたと伝える。鳥居の額に「日吉・諏訪・八坂 三柱神社」と書かれており,境内北側の鳥居には「諏訪神社」とある。
このうち八坂神社(須佐男尊)は,春日山を居城とした上杉家の崇敬篤く,また直江津の福島城主となった松平忠輝が慶長十九年(1614)に高田城に移った後も,高田城下に神幸行宮を設けて毎年祭典をおこなったという。日吉神社(大山咋命)は砂山村の産土神,諏訪神社(健御名方命)は直江津町の産土神である。
昭和三年(1928)に,社号が「諏訪神社」から「八坂神社」に改称し,郷社に昇格した。
地元には「八王子様(はっちょうじさん)」という呼称もあるという。(八王子とは,スサノヲとアマテラスの誓約のさいに互いの持ち物から産み出された八神とされる。)
なお,当社は「延喜式」所載の「佐多神社」(頸城郡十三座の一座)の論社のひとつである。他の候補は,糸魚川市宮平の劔神社と,同市北山の佐多神社である。

直江津の八坂神社社殿
本殿は享保六年(1721)に,拝殿は天保八年(1837年,天保十四年ともいう)に完成。両殿は幣殿でつながれており,安定感のある美しい建造物である。

境内は広く,秋葉神社,松尾神社,稲荷神社,神明社が祭られている。
「神社明細帳」が記録する境内社は七社で,神明宮(天照皇大神)と稲荷社(宇迦魂命)六社である。

(新潟県上越市西本町4-2-25 ,JR直江津駅より徒歩5分)
2003.3.2

参考:祇園信仰とは?


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