新潟県神社探訪

八幡宮(上越市西本町〈にしほんちょう〉)

直江津の府中八幡宮参道から社殿
「府中八幡宮」とも呼ばれる八幡宮は,JR(北陸本線・信越本線)直江津駅の北西500メートルに鎮座する。
「神社明細帳」(明治十六年)に「中頸城郡八幡村字府中 無格社・八幡宮」とある。
養老四年(720)に宇佐八幡宮を勧請し,また貞観十二年(870)に石清水八幡宮を分霊したという。越後の総社として長く重んじられた。
上杉謙信にも崇敬され,以後も高田城主から代々篤く保護されたため,多くの文化財を蔵している。
祭神は品多別尊で,合殿に高志沼河姫命と健御名方命を祭る。
明治五年(1872),旧柏崎県の村社格を与えられ,翌年は郷社に昇格したが,後に廃された。
直江津の府中八幡宮直江津の府中八幡宮本殿

直江津の府中八幡宮境内石祠府中八幡宮境内
「明細帳」は境内社を二社(いずれも石祠)記録している。神明宮(天照皇大御神)と諏訪社(健御名方命)である。
狛犬は,社殿の前にあるほとんど摩滅したものを含め,三対ある。

なお,当社を「延喜式」の「阿比多神社」とする説もあるが,確証はない。
北陸本線・谷浜駅の西に鎮座する阿比多神社を「式内・阿比多神社」とするのが通説である。

(新潟県上越市西本町3-5-15,JR直江津駅より徒歩5分)
2003.3.2, 2012.9.16


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