諸国神社めぐり

神田神社(千代田区外神田〈そとかんだ〉)

神田神社社頭
「神田明神」と呼ばれる神田神社は,JR(中央本線)御茶ノ水駅の北東350メートルに鎮座する。
現在,東京中心部の108町の総氏神として崇敬を集めている。
天平二年(730)創建の古社である。かつては大手町(当社の南南西1.7キロメートルの将門塚付近)に鎮座した。
創建時の祭神は大己貴命(一の宮)である。芝崎村(大手町あたり)に入植した出雲系の氏族が祖神を祭祀したのである。
鎌倉時代の嘉元年間(1303-1305)に周囲で疫病があり,これが平将門の祟りとされた。真教上人(時宗の僧)が将門の霊を供養し,延慶二年(1309)に当社に合祀した。
江戸城の拡張にともない,元和二年(1616)に現在地(江戸城の表鬼門)に遷座した。ただし将門の首塚は旧地にそのまま残されて今に至っている(→将門塚)。
かつて「神田明神」と称されたが,明治四年(1871)に神田神社に改称した。
明治七年(1974)の明治天皇の行幸にあたり,「朝敵」の平将門が本社から分祀されて境内摂社(将門神社)に遷されたが,昭和五十九年(1984)に本社に戻された(三の宮)。
二の宮として祀られている少彦名命は,明治期に大洗磯前神社(茨城県大洗町)から勧請された祭神である。

神田神社社殿神田神社本殿屋根
旧社殿は関東大震災(1923)で焼失したが,昭和九年(1934)に鉄骨鉄筋コンクリート・総朱漆塗で再建された。
耐火構造であったため,東京大空襲(1945)では焼失を免れた。
国の登録文化財に指定されている。

神田神社隨神門
昭和五十年(1975)建築の隨神門は総檜造りである。

(東京都千代田区外神田2-16-2)
2018.4.19

江戸東京を見守り続ける神田明神(公式サイト)


南関東神社めぐり