諸国神社めぐり

小野神社(多摩市一ノ宮〈いちのみや〉)

多摩市一ノ宮小野神社社頭
小野神社は,聖蹟桜ヶ丘駅(京王電鉄)の西北西500メートルに,西向きに鎮座する。多摩川の右岸に位置し,川までは300メートルほどである。
主祭神は,天乃下春命と瀬織津比咩大神である。
天乃下春命(あめのしたはるのみこと)は武蔵国開拓の祖とされ,安寧天皇(第三代天皇)十八年の鎮座と伝える古社である。
元慶八年(884)には正五位上の神階を賜った。
『延喜式』(神名帳)所載の「小野神社」(多麿郡八座の一)の論社である(多摩川の対岸,府中市住吉町の小野神社も「式内小野神社」の候補である)。
ほかに伊弉冉尊,素戔嗚尊,大己貴大神,瓊瓊杵尊,彦火火出見尊,倉稲魂命を祀る。
多摩市一小野神社随神門
大鳥居の先に随身門がある。
多摩市一小野神社境内
参道の先に朱色が鮮やかな拝殿がある。その左奥には,末社を一括して祀っている末社殿が建っている。
末社は,伊勢神宮内宮,伊勢神宮外宮,三嶋神社,八坂神社,愛宕神社,安津神社,日代神社,鹿島神社,子安神社,厳嶋神社,方便神社,秋葉神社,堰宮神社である。
以上のほか,末社殿とは独立して稲荷社が随身門の北にある。
多摩市一小野神社社殿
社殿の造営や改築の年代は,資料がなく不明。
多摩市一小野神社拝殿正面多摩市一小野神社拝殿額
拝殿は入母屋造。「武蔵国一之宮 小野神社」の額が掛かっている。
多摩市一小野神社本殿多摩市一小野神社本殿(横から)
拝殿から少し離れて透垣の内に建つ本殿は,三間社流造で,やはり朱に塗られている。

多摩市一小野神社南門多摩市一小野神社南門額

(東京都多摩市一ノ宮1-18-8)
2017.3.28

武蔵国一之宮 小野神社(公式サイト)


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