熊野神社は,JR(南武線)西府駅の北400メートルに鎮座する。
江戸初期の創立と伝えられ,旧本宿村の総鎮守で,初め西府駅の南東に鎮座したが安永六年(1777)に現在地に遷座した。
素盞嗚命を祭神とする。
本殿の背後に古墳がある。「上円下方墳」という珍しい様式であるが,被葬者は不明である。
国の史跡として復元,保護されている。
本殿,拝殿ともに江戸時代の貴重な建造物で,府中市の文化財に指定(平成二十年)されている。
本殿は覆屋で保護されているが,杮葺入母屋造で,十八世紀前半の造営と考えれられている。
拝殿には天保九年(1838)改築を記録する棟札が保存されている。安政六年(1859)に修復されたという。
拝殿の向拝には天保期の彫刻がよく保存されている。
境内に八衢比古神と八衢比女神の石祠が並んでいる。
(東京都府中市西府町2丁目9番)
2015.11.28