諸国神社めぐり

青渭神社(調布市深大寺元町〈じんだいじもとまち〉)

調布市深大寺の青渭神社正面
青渭神社(あおいじんじゃ)は,調布市の神代植物公園の南隣に鎮座する。
当社は『延喜式』所載の「青渭神社」(武蔵國多磨郡八座の一)の論社である。当社のほか,稲城市東長沼の青渭神社,青梅市沢井の惣岳山山頂の青渭神社が,式内青渭神社の候補である。
史料によると,かつて社前に大きな池があり,湧水をたたえていたという。よって「青波天神(あをはてんじん)」という別称もある。
祭神については,『明治神社誌料』に「不詳」とあるらしいが,当社境内の由緒は「主祭神名・青渭大神(水神様)」とし,さらに「御祭神は水波能売大神・青沼押比売命、又一説には社前大池に棲む蛇を祀ったとも云われている」と言う。いずれにしても古くからの水の信仰に関わりがあるものの祭神はよくわからない,ということであろう。
青渭神社拝殿青渭神社拝殿内部
青渭神社本殿

青渭神社狛犬(吽像)青渭神社狛犬(阿像)
拝殿前の石狛犬(明治十三年)は典型的な江戸様式である。
青渭神社の御神木
鳥居横のケヤキの巨木は,樹齢600年と推定され「江戸名所図絵」にも登場する有名なもので,調布市の天然記念物に指定されている。
2008年に倒壊の兆候が現れたため,鉄柱で支える工事がおこなわれた。

(東京都調布市深大寺元町5丁目)
2009.3.8


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